為替相場の急激な円高が輸入事業者のビジネスに与える影響

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6月24日に英国にて行われたEU離脱を問う国民投票において、離脱派が過半数を超えた影響で、為替相場に大きな変動がありました。

  • 1ドル 105円 -> 102円
  • 1ユーロ 120円 -> 113円
  • 1ポンド 159円 -> 139円

上記のように主要通貨に対して大幅な円高となりました。今回は円高が輸入事業者に与える影響について説明したいと思います。

円高は輸入するには良い

円高というと景気を悪化させるものと考えている方も多いかと思います。これは輸出する場合はその通りですが、輸入の場合には当てはまりません。

輸入事業者にとっては円高の方が儲かります。なぜかというと為替に変化があっても物価はすぐには変わらないからです。

円高で輸入が儲かる理由

例えば今まで海外から4万円で仕入れて国内で5万円で販売していた海外製品があったとします。それが今日とんでもなく円高になったため3万5000円で仕入れられるようになったとします。

このケースでは仕入れは5000円安くなっていますよね。しかし値下げをする必要はありません。なぜなら以前と同じ5万円で問題無く売れるからです。

つまり何の努力もしていないのに円高により利益が5000円増えることになるんです。

1ドル何円であれば輸入で儲かるのか

感覚的には輸入ビジネスでは1ドル80円ではかなり儲かり、1ドル100円では普通、1ドル120円では全く儲からないというような感じと思います。

このため新規に輸入ビジネスに参入するのであれば、少なくとも1ドルが90円前後の時が良いのではないかと思います。

為替によらず儲けることは可能

これまで円高の方が輸入では儲かるという説明をしてきました。しかし実は為替によらず輸入で儲けることは可能です。

例えばニーズのある製品の独占販売契約をとっていれば価格は自分で決められます。他の事業者はあなたの決めた価格であなたから仕入れるしかありませんので為替は関係ありません。

また非常に安く仕入れられる独自のルートをもっていて、利益率が非常に高いような場合には仕入れが多少高くなってもあまり関係ありません。

さらに、円安の状態が10年続くような状況では輸入事業者は撤退していくためライバルが減ります。このため薄利でも売り上げが伸び儲かります。俗に言う残存者利益というものです。

おわりに

為替に興味がある方は少ないと思いますが、同じ1万円でもその時の為替により価値が異なります。円高の時の方がより高い海外品や、より多くの海外品を買うことができます。

「そんなの知ってる」という方でも知識として知っているだけで実感はしていない方がほとんどです。

為替を実感する一番良い方法は、自分の資産を円、ドル、ユーロに分割して持っておくことです。特に将来輸入あるいは輸出事業者になる予定がある方にはオススメです。

ではでは、じぇーむでした。

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