最近はさまざまな小売業のIRを調査しています。
というのもIRは下手なノウハウ本と違ってウソがつけませんので、儲かっている企業がどうやって付加価値を出しているのかが分かるからです。
ということで今回はビレッジバンガードです。いわゆるビレバンですね。
ビレッジバンガードの概要
ビレバンは名古屋発祥です。1986年に創業者の菊池さんが個人事業で始めた雑貨屋がルーツとなっています。
その2年後に有限会社を設立し、10年後の1998年に下北沢に旗艦店をオープン、株式会社になっています。
現在の売上は470億程度ですから、東急ハンズの半分くらいです。ちなみに正社員は516人です。
ビレバンは雑貨と書籍のセレクトショップなのですが、サブカル文化を意識した異様な世界観が特徴です。サブカルとはいわゆるオタク文化のことです。
私も結構行くのですが、通常の書店ではあまり置かれないようなマニアックな書籍が結構おいてありますよね。
雑貨にしても、いわゆる「おもしろ雑貨」とか「ビンテージ」的なものとか、「アニメ」グッズ的なものが多いイメージ。
一個一個の商品を見ると誰でも仕入れられそうな普通の商品(どらえもん雑貨とか)が多いのですが、あそこまで独特な雰囲気が出るのは不思議です。
ビレバンのネット通販
IRを読んでみると現在全国で386店舗もあるそうで、その殆どがチェーン店では無く直営店だそうです。
なぜかというと、コンビニのようにパターン化はあえてしない方針だからで、店舗によって品揃えが違うとのこと。
ネット通販もやっていて、オリジナルの通販限定商品を強化する方針と書いてありました。
2011年では一般の卸問屋からの仕入商品が殆どであったのが、2013年からはどこにでも売っていない個人クリエイター商品を販売し始め、2015年からは商品を持っていないアーティストともタイアップしビレバンが商品を開発し始めているようです。
「君の名は」の公開記念グッズの例が載っていました。新海誠さんと話をつけたのでしょうか。これがうまくいったのかわかりませんが、今期からは、有力クリエイターの一本釣りを強化する戦略にしているようです。
Q1ではこのクリエイター売上で1億2000万くらいの売上があって、ネット通販全体の75%を占めているとのこと。
通期では昨年は6億くらいの売上で、今年は9億を計画しているようです。まだあまり大した規模にはなっていないですが、ネット通販事業自体は150~200%くらい伸びているようです。
ではでは、じぇーむでした。