投資で資産を増やすためにはテクニカルな面とは別に、押さえておくべき哲学があります。ここではその中でも重要と思われるポイントを説明させていただきます。
円で考えない
多くの方は、1万円の価値は明日になっても1万円であると考え安心されているかと思いますが、厳密には今日の1万円の価値と明日の1万円の価値は異なります。
これは国により使用している通貨が異なり、その通貨同士の両替レートが日々変化するからです。2012年には1ドルは80円でしたが、本日(2016/6/7)時点では107円となっています。
この変化によりアメリカから輸入された商品の値上げが発生したり、円として見ると給料や資産が増えているのにドルで見ると減っているケースがあります。
資産を円建てベースで考えて増減に一喜一憂されているような方はいいようにされてしまう可能性がありますので注意したほうがよいかと思います。
増やすのではなく減らさない
お金とは生もののようなものであり、長い目で見るとインフレによりその価値を失って行くのが世の常となっています。
ある程度の資産ができると、後はその価値を減らさず保っておけば一生安泰という状況にもなってくるため、資産家は各国の株や不動産に分散して投資を行ったり、海外に法人を作るなどしてリスクを回避しようとしています。
この点、多くの方はリスクを減らすために預金口座にすべての資産を集中させていたりしますので、リスクに対する考え方が全く異なると思います。
投資というとギャンブル的にボロ儲けするイメージの方もいるかと思いますが、価値を守るという観点で取り組まれるのも良いかと思います。
税金や手数料に注意する
例えば株を安く買って高く売り儲けが出た場合、その儲けの2割は税金で失います。このためそこそこの勝率で売買を繰り返した場合と、保有し続けた場合とでは最終的な利益が変わらないということもあり得ます。
また投資信託などでは手数料を毎年支払うこととなりますが、この手数料が高い投資信託では儲けを出すことは難しいです。
定点観測を行う
投資では以前との変化やその傾向に気づくことが非常に大事となります。この変化に気が付くには常に同じ指標や為替、金融商品の値動きを確認し続けることが有効だと思います。
自分が所有していない金融商品の値動きをウォッチし続けることは難しいと思いますので、気になる商品を極めて小額だけ購入するのも良いかと思います。
例えばドルとユーロを1万円づつと日経平均に連動する投資信託を1万円購入したとしたら、毎日為替や日経平均をチェックすることは苦ではなくなるかと思います。
お金をお金と考えない
前述のように1万円の価値も絶えず変動しています。これが大きな金額を運用していると一日で何十万も価値が増えたり減ったりということが発生します。
中には5年以上もの間、価値が元本まで戻らないということも当然あり得ます。これを、投資をしていなければランチに毎日うな重を食べることができた、などとリアルに置き換えてしまうと憂鬱になってしまうかと思います。
初心者は必ず少額からスタートし、投資したお金は捨てたようなものだと思って貰うと良いかもしれません。
人の言うことを鵜呑みにしない
雑誌やネットで様々なエコノミストが、お薦めの銘柄や投資法などを紹介していますが確実に儲かる投資法など存在しませんし、仮にあったとしたら他人には教えないと思います。
ニュースで流れるような、ポジティブあるいはネガティブな情報も、既に市場価格には織り込まれていることが多いです。
投資は自己責任というのが原則ですので、誰もあなたに損をさせた責任をとってはくれません。人の意見は参考程度とし盲信しないよう、くれぐれも注意していただくと良いと思います。