私は、Mt.GOXという当時世界最大のビットコイン取引所でビットコインを買っていましたが、そのMt.GOXが倒産してしまったため所有する全てのビットコインを失いました。
その経験からビットコインを長期保有するリスクについて説明したいと思います。
ビットコインとは?
ビットコインは仮想通貨です。インターネット上の電子データのやりとりでビットコインの所有権を移動させることで、あたかも通貨のように使用することができます。
メリットはクレジットカードなどと比べて決済手数料が安いことと、銀行振り込みなどと比べて国をまたいだ決済のスピードが速いことです。
ビットコインの単位はBTCです。現在(2016/6/13)ですと1BTCが690ドル程度で、円に直すと7万円程度で取引されています。
ビットコインのリスク
安全なウォレットが存在しないというのが最大のリスクになります。ウォレットというのはコンピュータ上のビットコインの置き場所のことです。
ビットコインの実体はパスワードのような文字列なのですが、その保管場所は自宅のパソコン(内臓ハードディスク 又は 外付けのハードディスク)上に作ったウォレットか、インターネット上のオンラインウォレットのどちらかです。
この時以下のようなリスクが発生します。
- ウォレットに設定したパスワードを忘れてしまう
- ウォレットがハッキングに合い盗まれてしまう
- ウォレットが存在するパソコンあるいはハードディスクが盗まれてしまう
- ウォレットの実体であるハードディスクが壊れる
- オンラインウォレットの運営元が多額の負債を抱えたまま倒産してしまう
このため現時点では、決済に必要な分だけビットコインを購入し、直ぐに使うのが良いと思います。
何千万円ものお金をすべてビットコインに交換して、ウォレットに何十年も置いておくというのは上記の観点からお薦めできません。
もしどうしてもそういったことをしたい場合には、下記の対策を行っていただくのがよいかと思います。
- パスワードは、紙にメモして金庫に保管する
- 使用する時以外はウォレットを作ったハードディスクの電源を切っておく
- ウォレットのバックアップを取る
- バックアップを遠隔地に保管する
ちなみに上記の対策を行ったとしても、完全な対策とならないことは言うまでもありません。
ビットコイン取引所
自国の通貨とビットコインの両替を行っている会社のことです。現状ではBitstamp、BTC-e、Bitfinex、Krakenが世界の大きな取引所となると思います。
これらの会社でビットコインを購入した場合、そのビットコインは自動的にオンラインウォレットに置かれます。
このビットコインを、そのままオンラインウォレットに置いておくのか、自宅のウォレットに移動させるかに関しては、どちらが安全かというとどちらも安全ではありません。
銀行や証券会社であれば、顧客からの預かり資産は保護されますが、ビットコイン取引所が預かっているビットコインに関してはそのような保護や法整備がありません。
まとめ、ビットコインは儲かるのか?
ビットコインの総量は有限であり、金(ゴールド)に性質が似ています。このためビットコインを信頼して使う人が増えればビットコインの価格は上がると考えられます。
ビットコインの保護に対する法整備、ウォレットに関するイノベーション、ビットコインを利用可能な店舗の増大などが引き金となり、将来大幅に価格が値上がる可能性は否定できません。
しかしながら、現状のビットコインには前述した解決不可能なリスクがあります。
この点を考慮に入れ、あくまで余裕資金(全ロスしても良いお金)で運用していただくのが良いと思います。