確定拠出年金、DC、日本版401kとはなんでしょう?
全て言い方が異なるだけでどれも確定拠出年金のことです。会社で加入するかしないかを聞かれた方も多いかもしれません。
「年金なんてどうせ私たちの世代は貰う額より払う額の方が多いんでしょ、そんなもん任意ならやるわけないっしょ、ケェーーー!」
と断った方もいるかと思います。
しかし私にはやらないという選択肢はありませんでした。なぜなら絶対的に得だからです。単なる国からのプレゼントです。
確定拠出とは
確定拠出年金は、簡単に言うと個人で投資信託を買って運用することです。
年金という言葉に惑わされてはいけません。個人で投資をするということです。ですので得をすることもあれば損をすることもあります。ごく普通の投資と全く同じです。
得する理由
なぜ得するのか?
理由は税金を払わなくて良いからです。「えっ、それだけ?」という方は税金を甘く見ているのかもしれません。
基本的に日本では多く稼ぐ程、税金を多く払うようになっています。つまり稼いでも稼がなくても残るお金にさほど違いはないということです。
そこでなるべく多くお金を残そうとするならば、税金が軽減される制度をフル活用するのが賢いという結論となります。
優遇その1
通常、普通に投資信託を買う場合、税引き後の手取りの給料で買いますよね。つまりみんな源泉徴収により所得税や住民税を支払った後に残ったお金で買っている訳です。
それが確定拠出年金ではなんと!税引き前の給料で買うことが出来るんです。
つまり1000万円分確定拠出年金で投資信託を買ったら、引かれるはずだった所得税や住民税分の100万円から300万円くらいはその時点で得してしまうということです。
優遇その2
確定拠出年金の税金の優遇はこれだけではありません。なんと!投資信託で毎年貰える配当金に税金がかからないんです。
例えば1000万円分の投資信託を買っていて、毎年30万円の配当金があるとしましょう。この場合、配当金の2割が税金となりますので、6万円を支払うことになります。これを払う必要がないということです。
投資信託を買ったら値下がりして損する場合もありますが、これだけ税金を払わなくて済むのであれば投資としてはかなり有利です。成功する可能性が高まります。
デメリット
と、ここまで良いことばかり書いてきましたが、確定拠出年金にはデメリットもあります。それは少なくとも60歳までは売れないことです。
これは確定拠出年金が老後の生活を豊かにする目的であるためです。基本的に投資というものは余裕資金で行うことが基本ですので、大したデメリットではありませんが一応覚えておいた方がよいです。
現金化する際の注意点
あと注意しなくてはいけないのが売る時に、その金額に対して所得税と住民税を払わなくてはいけない場合があることです。
この税金に関しては、確定拠出年金は退職金と同じ扱いとなるため優遇されています。
つまり
「これからこの退職金で生計を立てていかなくてはいけなくて大変だよね。だから貰う退職金全部には所得税や住民税をかけないであげるよ」
という優遇です。
このため受け取る全額に対して税金がかかる訳ではありません。しかしそれでも払う必要がある場合があります。
ちなみに、この所得税や住民税をかける対象の金額のことを課税退職所得額といいます。
課税退職所得額(税がかけられる金額)の計算方法:
課税退職所得金額 = (投資信託の評価額 – 退職所得控除額 )÷2
退職所得控除額の計算方法:
20年以下の投資年数の場合 -> 40万円×投資年数
20年以上の投資年数の場合 -> 800万円+70万円×(投資年数-20)
ここが確定拠出年金の非常に変わっているところです。
というのも普通、投資信託で運用していて売却した場合には、売却した際の利益に対して一律2割の税金(所得税+住民税)を支払うことに決まっているからです。
退職金扱いとなるのですから、それとは課税の仕方が全く異なりますよね。
では、実際に確定拠出年金で投資信託を売ったときに、いくら税金を払うことになるでしょうか?以下でシュミレーションしてみましょう。
シュミレーション ケース1
30歳から確定拠出年金を始め、60歳まで毎年20万円の投資信託を買ったとします。合計の購入額は600万円ですが、投資信託が1000万円に値上がりしていたとします。
このケースでは退職金控除額が1500万円となります。控除額の方が評価額を上回っていますので受け取りの際に税金は払わなくて大丈夫です。
逆にもし確定拠出年金でなく普通に投資信託を買っていたとしたら、1000万円-600万円=400万円の利益に対する2割の税金として80万円を支払う必要があったため得してますよね。
シュミレーション ケース2
次に上記のケースで投資信託が3000万円に値上がりしていた場合ではどうでしょうか?
この場合、(3000万円-控除額1500万円)÷2=750万円に対して所得税と住民税が掛かってきます。
仮に所得税率が20%であるとすると、住民税10%との合計で30%の税金を払うこととなります。つまり750万円×30%=225万円が税金となります。
逆に普通に投資信託を買っていた場合には、3000万円-600万円=2400万円の利益に対して2割の税金がかかりますので、税金は480万円です。
このケースでも確定拠出年金の方がかなり得しますね。
さいごに
しかし投資信託が大幅に値下がりすれば当然損をすることは頭の片隅にはいれておいた方がよいです。まぁこれは普通の投資と考えれば当然ですよね。
つまり確定拠出は投資が必ず儲かることを保証する制度ではなく、あくまで税金が安くなるため儲かりやすくなる制度ということです。
確定拠出年金は投資です。投資というものは自己責任が原則です。
このため最悪全額失っても困らないような余裕資金にて投資額(拠出額)を設定すると良いとは思います。
ではでは、じぇーむでした。