ビットコイン(bitcoin)取引所が倒産するとどうなるか【Mt.Gox事例】

kraken

私は世界最大手のビットコイン取引所であるMt.Gox(マウントゴックス)に、アカウントを作り、購入したビットコインと現金をMt.Goxに預けっぱなしにしていました。2013年のことです。

その後、2014年2月にMt.Goxは取引不可状態となり、民事再生手続きによる経営再建が認められず、4月に破産することとなるのですが、その結果私が預けていたビットコインと現金はどうなったかというと、当然引き出せなくなりました。今も戻ってきていません

アカウントを作ったり、口座に現金を振り込んだり、ビットコインを買ったりする時にやたらと(1ヵ月とか)時間がかかったり、途中で振込先の口座番号が変わったりしていたので、その時すでに資金繰りがおかしかった可能性が高いと思っています。

まだ調査してます

通常、会社が破産した場合、顧客からの預かり資産は会社の資産を整理して返せる限りは返すことになっているのですが、当然資産が枯渇していれば返済能力に限界がある訳で、返せない分は返さなくて良いことになっています。それが会社ってもんです。

で、2017年1月9日(本日)時点ではどうかというと、破産管財人および警察における「調査中」ならびに「債権の支払い待ち」ステータスです。

破産管財人や警察が何を現在調査しているのかというと、Mt.Goxから消えたビットコインの調査をしている模様です。そろそろ取引停止から3年ですね。

当初、Mt.Goxが破産した理由は、ビットコインがハッキングによって盗まれたからということになっていました。社長のマルクカルプレスさんも記者会見で「システムに弱いところがあってビットコインがなくなってみんなにご迷惑をかけて本当に申し訳ありませんと思います」とか言っていました(フランス人なのに日本語がペラペラ)。

しかし、その後、Mt.Goxのコールドウォレット(ネットに繋がっていない記憶装置)から大量のビットコインが見つかったり、マルクカルプレスさんが顧客の預かり資産を使いこんだ(3億円程度なので全体からみると大した額ではないが)容疑で逮捕されたり保釈されたりと調査中に、新たな事実がいろいろ分かってきました。でもまだはっきりとしたことは公表されていません。

いくら戻ってくるか楽しみ

私が当時Mt.Goxに預けていた資産はというと、債権(Mt.Goxが返さないといけないと思っているということ)が認められましたが、どれだけ返ってくるのかは調査の結果次第です。破産時にMt.Goxには資産が残っていたので、いくらかは返ってくるとは思います。

中間の報告書によると債権を認めた金額が456億円に対して、現時点でMt.Gox(というか破産管財人)が所有するビットコインは202185BTC(1BTCが9万円とすると180億円くらい)とのことなので、全債権に対して1/3くらいの返済能力があるような気がしています。が、正確なところは分かりません。全然返ってこないかも。

面白かったのは債権者リストが公開されたということ。つまり当時Mt.Goxに資産を預けていた人全員の名前と預けていた資産の額が分かってしまいます。これは個人情報保護がシビアな時代に珍しいなと思いましたね。めちゃくちゃ買っている人とかいました、ビットコイン。すげ~。

ちなみにMt.Goxの顧客は、現在、Kraken(クラーケン)という別のビットコイン取引所が引き受ける形となっていますね。

教訓

ということで、ビットコイン自体は怪しいものでもなんでもないのですが、購入したビットコインを他人に預けるなんて馬鹿なことはしない方が良いですよというのが、私がMt.Goxから得た教訓です。取引所は銀行とかと違ってなんの保障もありませんから。

ま、自分のウォレットに保管しておいても完全に安全と言えないところが、今のビットコインの一番厄介なところなんですが。

ではでは、じぇーむでした。

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