退職は決めた後からの手続きが結構大変であったりします。特にセミリタイアや脱サラをする場合、サラリーマンから自営業者成りすることになります。
しかし両者では適応される年金や社会保険制度が異なるため、普通に転職するよりもさらに手続きが煩雑になってきます。
今回はサラリーマンを辞めて自営業者成りするための9つのステップを説明します。
1.退職する旨を連絡
まずは直属の上司にメールで退職する意思があること、それがいつになるのかを伝えましょう。後に打ち合わせの場が持たれますので、この時点では理由は書いても書かなくても大丈夫です。
2.退職趣旨確認打ち合わせ
直属の上司または人事部が、退職の趣旨をヒアリングするための打ち合わせの場をセッティングします。ここでは辞める意思が硬いことをアピールしましょう。
理由に関しては一身上の都合とし詳細を言わなくても問題ありません。理由を言う場合、例え会社に不満があったとしても、自分都合の理由を述べると良いでしょう。
この打ち合わせは上司が納得するまで数回行われることがあります。
3.退職願を書く
よく刑事ドラマなどで「辞表を叩きつけてやりますよ!」などと辞表というセリフが出てきますが、それは彼らが公務員だからです。
民間企業の場合は辞表ではなく退職願を提出することになります。しかし詳細に関しては会社によってルールが異なります。
例えば会社によっては退職願ではなく退職届を提出する決まりになっている場合があります。その他、社長宛に書く必要があったり捺印が必要な場合もあります。
確実を求める場合には、届けを提出する前に人事部にフォーマットを確認すると良いでしょう。
退職理由がどのような内容であっても、基本的には一身上の都合と記載してください。
白紙にボールペンで書くことが一般的です。封筒は A4に書いた場合には長型3号の白封筒に、B5の場合には長型4号の白封筒に入れることが一般的です。
この際、郵便番号の枠が付いてないものを使用します。この封筒はコンビニにはめったに置いてありません。
ちなみに退職願を変な封筒に入れて提出したとしても、特に大した問題にはなりません。結婚式のご祝儀袋のようなものです。余り拘らずに家にある封筒で済ますのも良いかもしれません。
4.退職願提出
提出先は直属の上司であることが普通ですが、人事部に直接提出するケースもあります。準備が出来たら自ら会議室など個室を抑えて渡すのがベストかと思います。
なおここで退職願が受理されればその後撤回はできないと考えてください。
5.人事部打ち合わせ
この段階での引き留めは殆ど無く、退職理由のヒアリングや必要提出書類の説明などが主な内容となります。
どの会社の人事部も社員が退職する真の理由を知ることで、今後の社内環境の改善に役立てたいと思っています。
会社の問題点などを差支えない範囲で言及してもよいでしょう。
6.業務引き継ぎ
自分が抜けても組織として機能するように、他のメンバーあるいは後任に自分の仕掛かり中の業務などを引き継ぎます。
この引き継ぎを素早く完璧に行わないと、次の有給消化のステップに進むのが遅くなってしまいます。
引き継ぎやすいようにあらかじめ資料をまとめたり、きりが良い所まで自分で完了させたりしておきましょう。
7.有給消化
有給休暇は社員の権利ですので、基本的には余っている有給はすべて使用して構いません。
何かあったときのために、有給休暇を数日余らせて置くようなことは必要ないと思います。もし計算違いなどで有給休暇が足りなくなっても、出社すれば良いからです。
8.退職に伴う手続きの選択
8-1.退職金受け取り方法
会社によっては退職金を企業年金という形で運用しています。その場合、退職金を将来分割で受け取るか、退職のタイミングで一括で受け取るかを選択する必要があります。また受け取りの銀行口座なども伝える必要があります。
8-2.健康保険任意継続
会社員から自営業成りした場合、会社の健康保険から外れ、新たに国民健康保険に入ることになります。しかし猶予期間として2年間は国民健康保険に入らず、今の会社の健康保険を継続することができます。
これを任意継続といいます。基本的には任意継続する方が保険料が安い傾向にあります。それでも退職後すぐに国民健康保険に切り替えたい人は、社会保険資格喪失証明書を貰っておくと良いでしょう。
8-3.住民税の支払い方法選択
今年の住民税を会社に支払ってもらう源泉徴収か自分で支払う普通徴収かの選択になります。基本的には自分で支払う普通徴収で問題はないかと思います。
自分で払う場合には自宅に振り込み用紙が届きます。コンビニなどでも支払うことが可能ですので大した手間ではありません。
8-4.離職証明書の要不要選択
離職証明は退職後に失業手当をもらう際の必須書類です。失業手当を貰うには退職後にハローワークで仕事を探す必要があります。
退職後すぐ自営業成りする場合には離職証明書は不要です。自営業を営んでいるのに失業を偽って手当をもらうことは不正受給となります。不正が発覚すれば当然ペナルティがあります。
8-5.会社を介した生命保険、医療保険等に関する選択
会社を通して生命保険や医療保険に加入している場合には、退職のタイミングで契約を解約することができます。
また会社が関わらない形で継続したり再契約することが可能な場合があります。
8-6.財形貯蓄、持株会、社員寮
会社にこれらの制度があり利用されている方は、会社毎のルールに従い手続きを行います。
9.最終出社
自分が使っていた机やロッカーの整理を行ったりお世話になった方々に退職メールを送ったりします。
パソコン上の不要なデータなどは削除しておきましょう。
会社携帯など会社からの支給品の返却も行います。
その他
退職後にも連絡を取り合いたい人と連絡先を交換して置くと良いと思います。
また今後なにかの時のために、入社してから退社するまでに会社で自分が行ってきたことを纏めておいても良いかもしれません。
自営業成りする場合、退職後にもいくつかの手続きが必要です。それはまた別の機会で説明しようと思います。